OUTLINE

事業概要

取組の概要(全体像)と目標

日本国内の留学生のうち、MENA地域(中東アジア・北アフリカ)からの留学生は約1%に過ぎない。MENA各国では政府派遣奨学金を用意しているが、その利用者の多くは欧米へ留学している。
この現状を踏まえ、私たちは「J−MENAプラットフォーム」を構築し、現地オフィスとの連携のもとで「日本の認知向上」と「留学希望者の増加」を図り、オールジャパン体制でMENA地域からの受け入れを促進する。2018年現在、推定2,000人のMENA地域からの留学生を2022年には倍増させる(約4,000人)ことを目標に掲げ、様々な取り組みを行う。



MENA地域の状況

  • 人口増加率は約1.8%;24歳以下の若年層が人口に占める割合は約47%(2016年)
  • 各国では、経済発展に必要な人材育成に努め、自国の大学の拡充に注力。
  • 欧米諸国を中心とした国外の高等教育機関に進学する若者も少なくない。
  • 日本語学習者はアジアやヨーロッパに比べ少数、日本留学試験(EJU)も実施されていない。
  • 日本留学の情報が不足、「留学に日本語習得が必要」、「生活費が高い」という誤解が留学意欲を阻害。
  • 富裕層が通う都市部の私立学校の多くは英語による中等教育を実施、海外の高等教育機関へも多く進学。
  • 日本の大学のプレゼンスは高いとはいえず、日本への留学は極端に少ない。(各国における海外留学総数の1%未満)

日本への留学者数増加に向けて
英語で学位が取得できる学部・大学院のアピールを強化、日本の大学の認知度を上げる。


重点地域の現状分析


エジプト
  • 歴史的に中東・北アフリカ地域の盟主として影響力大。
  • 日本政府によるE-JUSTに多数の本邦大学が協力、我が国の当該地域協力の中心。
  • 日本への留学生: 350名超(当該地域でサウジアラビアに次ぎ2位、内訳:国費留学生=約3割、エジプト政府奨学金=約1割)。
  • 「エジプト・日本教育パートナーシップ(EJEP)」(2016-2021)では2,500人が日本留学・研修の予定

主要大学
カイロ大学、アレキサンドリア大学、アシュート大学、アスワン大学、E-JUST他

サウジアラビア
  • 海外留学者8万人以上、多くはアブドラ国王奨学金プログラム。
  • 平成27年に新たな政府留学支援制度(留学先は世界大学ランキング200位以内)
  • 日本留学者が急激に減、新規入学者は毎年10人程度。

主要大学
キングファハド石油鉱物大学、キングアブドゥルアジーズ大学、キングサウド大学他

アラブ首長国連邦(UAE)
  • 1万人以上が海外留学、過半数は米国及び英国。
  • 平成25年に日本への留学500人計画、昨年目標達成。
  • 複数の政府奨学金制度、対象は自国民(人口の約1割)
  • UAE在住外国人富裕層の子弟は英語で授業を行う私立高校、私立大学に多く在籍、私費による海外留学多。

主要大学
UAE大学、カリファ大学、シャルージャ大学他

トルコ
  • 湾岸諸国に次いで高所得水準、人口も当該地域3位。
  • 4万人以上の海外留学生を派遣、約3割が米国及び英国に留学。
  • 日本への留学生: 270名超(当該地域で4位、内訳:国費留学生=3割弱)
  • 政府奨学金は最長1年の交換留学。大学の日本語学科には、交換留学制度による日本への留学生が一定数存在。

主要大学
アンカラ大学、イスタンブール大学、中東工科大学、アナドル大学、イズミル工科大学他

留学生派遣数※1 日本への留学者数※2 一人当たり国内総生産数※3 若年層人口(15〜24歳)※4 進出本邦企業数※5
エジプト 26,668 人 210 人 3,410 ドル 1,626万 人 50 社
サウジアラビア 86,223 人 428 人 20,720 ドル 491万 人 115 社
アラブ首長国連邦(UAE) 10,889 人 40 人 40,480 ドル 100万 人 337 社
トルコ 45,921 人 144 人 11,230 ドル 1,321万 人 197 社

※1,※2 出典:UNESCOSTAT ※3 出典:世界銀行DATA Bank(2016) ※4 2017年10月1日現在 ※5 出典:外務省統計

実施体制

現地連携大学で、現地の諸活動が効果的・効率的に実施できる体制を整備


各所の役割

事業企画運営委員会(九州大学)

■中長期計画企画、戦略的なプロモーション
留学生担当教員,中東・北アフリカ専門研究者,国際部 等

J−MENAオフィス

留学フェア等企画・運営
プラットフォーム管理

アンカラオフィス(トルコ)

アンカラ連絡会議
現地関係機関との協働

カイロオフィス(エジプト)

カイロ連絡会議
現地関係機関との協働

国内連絡会議

■日本の大学の受入状況を把握、戦略的なプロモーション
各大学の留学生担当教員,中東・北アフリカ専門研究者,各大学の国際部,JICA、JASSO、在京大使館関係者 等
評価委員会
成果の検証、事業の評価、活動のアドバイス